【過去日記】熊本について

昨日は労働の最中に熊本の女性から、熊本へ来たら女を買わなきゃいかん、というようなことを聞かされて、自我のないおれは俄にその気になり、街をふらふらしたところが、いろいろとつまらないことなど思い出されて、辛くなり、死にたいと思い、なおふらふらして、ついに、気がついたら、風俗街へ入り込んでいた。

仙術にかかったみたいに、いつの間にか、四囲の建物がけばけばしく変化し、キャッチのヤクザが無数に召喚されていた。情けないことだけれども、いざそこへやってきてみると、まるっきり意気地がなくなってしまって、気分は塞いでいる、獣欲はあるけれども、金を失ったらつまらない、何より、生身の女と相対するのが、怖い、ということになり、大勝軒のつけめん食べて帰った。

熊本くんだりまで来て大勝軒もないだろうが、しかし、食ったのだった。店内のテレビでは売れっ子アナウンサーの来歴を紹介し、キャラクターをいじり、タレントの如く売り込む、というような番組をやっており、彼我の世界の差に、華やかさについては天と地ほどの差に、打ちのめされて、やっぱり気分は沈み込む。あいつは慶応卒、おれは早稲田、などと、胸の内にはくだらない張り合い、結局は、生まれ育ちの差ではないですか。おのれの無能を育ちのせいにするなかれと、おれの常識だか良心だかわからない部分が、耳元でささやくけれども、事ここへ至っては、どうでもいいさ。育ちか、そうでないのか、決着を求めたところで、どうなる。また、話が不快なところへ落っこちてきた。

風俗街へ足を踏み込む前、たばこ屋へ行ったのだがプルームテックはまだ熊本未進出だということで、取り扱っていなかった。プルームテックは先週金曜日に結縁院法師からもらったものである。お大尽みたいにポンとくれた。気前のいい先生だ。

(2018年1月25日)