労働基準法
正社員でフルタイムの仕事をしたことがある人にとっては常識かもしれないが、労働基準法上では次のことが定められている。すなわち、
・労働者を1日につき8時間を超えて使用してはならない。
・労働者を1週間につき40時間を超えて使用してはならない。
でもさあ、労働者ではない家族経営の、あのおれの行きつけのケバブ屋の兄ちゃんは、明らかに1日8時間を超えて働いているんだよなあ。大変なことだよ。法律には反していないけどね。家族経営っぽいから。
この間話を聞いたら、14時から日付を超えたところまで働いているんだってよ。休憩はないだろうね。いやはや、おれたち高田馬場の人間たちの胃の腑を支えてくれているのは、こういう勤労な職人たちなんだよな。ありがたいことだよ。
ちなみに、ケバブ屋の兄ちゃんたちは適法な形で高田馬場の暮らしをケバブ面から支援してくださる素晴らしい方々だが、その、違法な形で入国して就労する場合であっても、労働基準法は適用されることに留意しよう。たとえ違法就労でも、労働者を酷使したり、法律によって許される範囲外でその就労の仲介を業(中抜きだ!)として行うことは、禁止されているのだ。
で、まあここまでは基本の話なんだが、応用編の話もある。
たとえばフレックスタイム制。変形労働時間制。こういう、労働時間に柔軟性をもたせる仕組みも存在しており(労使協定が必要な場合が多い)、多くの企業がそれを用いて事業の円滑な運営を図っている。
「1週間単位の非定型的変形労働時間制」。
これを紹介しよう。
これは、日ごとに繁閑の差が激しい旅館業、小売業、料理・飲食業のうちで、30人未満の労働者を使用する場合においては、労使協定を取り交わすことで、日において10時間まで労働をさせることができる。
1日8時間労働を、1日10時間労働に延長できるのだ。
ま、もっとも、1週につき労働時間は40時間を超えないこと、という取り決めはそのままなので、どこかの日で10時間労働させたら、そのぶんどこかで休みをつくってあげる必要があるけどな。
そんでふと思ったんだけどさ、もし野球がすごく時間かかったら大変だよな。え? なんの話かって? ほら、中日の柳投手とかはけっこう、ピンチをつくるけど点は取られないタイプじゃないか。そんでさ、そういう展開がずっと続いて、ピンチをつくっては牽制球を投げて、打たれて、打ち返して、そんなこんなで99点対99点とかになったら、野球はもうナイターだったら徹夜だろうな。
こういうのは審判が預かり試合にできるのかなあ。翌日も試合があったら興業に影響が出るものね。リリーフは全員投げられないだろうし、打者も総取り替えしないといけない。バットを握る手がボロボロになるだろうからね。
さらには観客もおねむ。あるいは、終電を逃した連中が球場の周りで応援歌を歌いながら日の出を見るかもしれない。なんと素晴らしい一日の幕開けだ! 会社は休むだろうけど。
そういうときに食べるケバブってかなりおいしいんだよね。思い出になるしさ。ソースはイスケンデルがおすすめだね。やっぱりトマトソースとヨーグルトソースのミックスが、徹夜の疲労を吹き飛ばしてくれるよ。あのさわやかでコクのある味がね。
そういえばケバブ屋も飲食業だから、1週間単位の非定型的変形労働時間制の適用を受けるんだね。気づかなかったよ、ここを復習するまで。もしあのケバブ屋が家族経営ではなく労働者を使用する場合は、労使協定を交わして、1日10時間のシフトが可能なようにするんだろうな。だってそうしなけりゃ、事業が回らなさそうだもんな。デリバリーもいっぱい来るから大変だって、兄ちゃん言ってたぜ。
モルモット






