社会保険一般常識
前回に引き続き、今回も雑談よりで進めようと思う。もっとも、前回は言うほど雑談にはならなかったきらいがあるがな。だってさ、前回はがっつり育児休業給付金の話をしたものな。雇用保険法の。その反省を生かしてだな、今回はもっとフランクな話をしようと思うよ。
あ……けがをした! ぷいぷいに噛まれたぜ!
そんなとき。
おれたちは日本国民ないし日本に住所を有しているからには、健康保険もしくは国民健康保険に加入しているから、医療費の全額負担をしないで済む。多くの場合、治療そのものは3割負担で受けることが出来る事が多いな。
それというのも、この健康保険(労働者のための医療の保険)と国民健康保険(労働者以外の者のための医療の保険)の確立によって、この日本では「国民皆保険」を実現しているのだからだ。
国民健康保険第1条では、その目的として、「社会保障及び国民保健の向上」を掲げている。この太文字の2つが大事なのだよな。労働者のための健康保険法のみならず、この国民健康保険制度によって、「社会保障」の機能を発揮させる。
社会保障ってことはつまり、所得再分配機能や生活安定化機能などの効果を、この国民皆保険制度の実現によって国民の間に広く及ぼそうってわけだな。そして「国民保健」、つまり労働者のみならずすべての国民の生活や健康を、健全なものにするための理念がここに含められているんだな。
モルモットのための社会保障、それはつまり快適な住環境と、欠くことなく提供されるチモシー。そして水、それからたまのオヤツ。これらが十分な愛情をもって人間から与えられることだ。そしてときにはかまってあげて、さみしさを感じないようにする。これがモルモットの社会を健全に保つということだ。
なにせ、モルモットってのは家畜化されたネズミであって、その社会は絶対的に人間の手の介入されたものでなければならない。野生ではモルモットは生きられないのだ。かわいそうに思う向きもあるかもしれないが、それは仕方が無いことなのだ。モルモットという種族は人間と共生することで繁栄する道を選んだ。
モルモットのための国民保健、それは動物病院への容易なアクセスが確保されていることを言う。モルモットを飼育するならば、エキゾチックアニマルに対応できる動物病院を探しておいて、そこにいつでも受診できるような準備をしておくことが肝要だ。
モルモットってのは完全草食だから、外敵に食べられないようにあまり表面に弱さを出さないように生きている。だから痛くても痛いと言わないし、調子が悪くても調子が悪いとはあまり言わない。そんだからさ、人間がしっかりモルモットを観察してあげて、適切な医療へのアクセスを開いてあげる必要があるのだな。
ところで船員保険法って知ってる?
船員保険は、労働者が入る健康保険の船員バージョン。海の男たち――エドモン・ダンテスたちが加入する保険だな。
目的条文からして色々と健康保険とは違いがある。まず管掌するのが政府ではなくて、全国健康保険協会。被保険者はもちろん船員。
任意継続被保険者の代わりに、疾病任意継続被保険者ってのがあるよ。ま、この辺はマニアックな話だな。喪失までに継続して2ヶ月の保険者期間があることと、喪失から20日以内に任意継続の申請をしなくてはいけないという点は、健康保険の方と一緒だ。
船員保険のなかでおれが注目しているのは、傷病手当金の支給期間だ。健康保険の場合、傷病手当金の最長支給期間は支給が開始されてから通算して1年6ヶ月。
これに対して船員保険の方は、傷病手当金の最長支給期間は支給が開始されてから通算して3年。やっぱりハードな仕事だから、傷病手当金の期間も長いのかな。ハードということ以外に、身分が不安定ということも言えそうだな。
エドモン・ダンテスがシャトー・ディフから逃げ出して、船に助け出されてそこで髪も髭もぼうぼうの状態で雇われたとき、かれは「仲間と同じだけのものがもらえればいいんで、へえ」と、その実力にはもったいない低額の賃金で働いていた。じつのところその操船技術は、とても高かったんだけどな。あれは粋だったね。
そしてそのあとガエタノを雇って、モンテ・クリストの財産とともに旅立ったかれのその後は当然、読者のみなさまの知る通り。
イギリスの商会の職員のふりをして、モレル氏の家を訪ねたときにちらとエデモンの口から漏れた言葉(私だったら、あの辺の海なら、マストはしまっちまいますね)は、かれの洗練された技量と度胸を示すものだったよな。
あ、あと勉強していて気づいたんだけど、高齢者医療確保法の第4条、あそこは「地方公共団体」が主語になっているよね。結構珍しいな、と思って、記憶しておかなきゃと思っているよ。
モルモット

